この記事では自費で購入した5GBASE-T(5GBEでRJ45のもの?)に対応したUSBアダプタを実機レビューします。
購入に至った経緯(駄文・読み飛ばし推奨)
筆者はネットワーク機器に興味があるガジェットブロガー兼Youtuberで、10GBEや5GBEに関する情報をアリエクやジンドンやツイッターで探しています。
そこでRTL8157というUSB3.1から5GBEに変換可能(という情報)のチップの名前で検索をかけていたところ、たまたま見つけたのがWP-UT5というアダプタでした。
いろいろリサーチをかけたところTwitter上にWisdpiさんの公式アカウントを見つけ、Iperf3や接続テストなどをしていらっしゃいました。
その後弊アカウントをフォロバいただいたり私の質問にお応え頂いたりしたので、更に興味が湧き、購入する流れとなりました。
スペック・機能
- USB3.2から5GBEに変換するアダプタです。2.5Gや1G等にも対応しているとのこと。
- チップは最近展示会にも出ていたRTL8157を使用しているとのこと
- ケーブルと本体は脱着可能
- USB3.2Gen1/2及びUSB2.0をサポート
- MacやWindows、Linuxに対応
また、Wisdpiさんにツイッターでメンションして2つほど質問したところ、以下のような回答を得ました。
- Q 日本のアマゾンで発売する可能性はありますか?A 私達は米国のアマゾンとアリエクとWisdpi公式ストアでだけ発売しています。
- Q USBのうち、10Gbpsと5Gbpsの速度のものにWP-UT5を接続した場合、どれだけの通信速度が出るでしょうか? A 10GbpsのUSBなら4.7Gbps、5GbpsのUSBなら3.7Gbps程度が出ます。
各種使用感
まずWindowsのミニPCであるAtomman X7 Tiに接続して使用していきます。
計測が楽なCrystaldiskmarkを使っていて、WP-UT5を使って5GBEに対応させたデバイスからスイッチを介して10GBEのオールフラッシュファイル鯖の共有フォルダにCrystaldiskmarkを走らせてテストをしています。
また、USB端子の速度についてはサンワサプライさんやトランセンドさんのサイトを参考にしています。(サンワサプライさんのサイトはコチラ。)
参考 QNAPのハブや5GBEミニPCとの比較
QNAPで販売されていた市場価格13000円程度ののQNA-UC5G1Tの速度はこんな感じ。
また、5GBEを搭載したAtomman X7 Tiの5GBEの速度はこんな感じ。
Windowsに接続した場合
ドライバをX7 Tiに入れなくても接続は可能ですが、ドライバの日付が2016年のものになっていました。また、速度もドライバを入れていないと遅いので、ドライバをRealtekからダウンロードしておきましょう。
それではこれから接続した場合の速度を検証していきます。
なお、理論上のMB/sとMbpsの換算はこんな感じ
1Gbps=1000Mbps=125MB/s
2.5Gbps=2500Mbps=312.5MB/s
5Gbps=5000Mbps=725MB/s 625MB/s
USB4に接続してみた
USB4にWP-UT5を接続した場合の速度がこんな感じ。
500MB/s≒4Gbpsを超える速度で通信ができているのを確認できるかと思います。
USB 3.2 Gen2 10Gbpsに接続してみた
X7 TiのUSB3.2 Gen2 10Gbps端子に接続した場合のCrystal Diskmarkがこちら。(なお画像中のテキストボックスの記載はちょっとミスっています。念の為。)
一番上のリード・ライトはUSB4のときほぼ変わりませんが、下3つが微妙に差があります。
(※なお、あくまでも個人的な見解ですが、この手のUSBのLANアダプタはケーブルによっても速度が変わる場合がある印象です。)
USB 3.2 Gen1 5Gbpsに接続してみた
5Gbpsの場合の速度がこちら。なお上がWP-UT5で、下が先程も掲載したQNAPのアダプタの速度です。
一番下のランダムリード・ライト以外WP-UT5のほうが高速でした。
MacやiPadやUbuntuでも使える?
接続を確認できるかテストしました。
M1 MBAとM1 iPad ProのThunderbolt端子、Ubuntu搭載MS-01のUSB4端子でそれぞれ接続できるかを検証しました。簡易的な速度テストも行っております。
Macの場合
接続を確認できました。また、速度もWindowsのときほどは出ないにしろ、そこそこ速い速度で通信が可能です。
iPadの場合
接続を確認できました。
Wifiを切った状態で、インターネット通信やファイル鯖へのデータ転送が可能でした。
下の画像はわかりにくいですが、Ubuntuにデータを転送した際に200MB/s強の速度が出ていることを表しています。
Ubuntuの場合
Ubuntuはドライバの導入の難易度が高く、情報を調べてもやり方が分からず、色々試しましたがうまくいきませんでした。
ネットワークへの接続は初心者の筆者が試した限りではできませんでした。
その他の使用感
開封
一通り開封するとこんな感じ。
QNAP QNA-UC5G1Tと比較するとこんな感じ。
認証はこんな感じ。
発熱
室温29度で風があまり当たらない場所においた場合、さほど発熱しませんでした。
メリット・デメリット・その他の点
メリット
- アリエクで6000円弱(記事執筆時点)と競合に比べて低廉
- 比較的低発熱(最悪USBファンで冷やせば良い)
- USB 3.2 Gen2で接続でき、接続のハードルがそこそこ低く、USB4をほぼ搭載していないN100のミニPCなどにも使えると思われる。
- 競合に比べてコンパクト
- しっかりと5Gbpsに近い速度が出る
デメリット
- 一部のスイッチは5GBEに対応していない
- 最近は低廉な10GBEアダプタも出ているので、それに比べると優先度は低い
- USB3.0などでは3Gbps程度の速度に落ち込んでしまう。
その他のポイント
- 現時点では日本で発売されていない
余談 5GBEという名前が検索しづらい…。
5GBEという名前が現時点でちょっと検索しづらいです。
現時点で5GBEが一般的ではないからか、5GBEで検索すると2.5GBE(2.”5GBE”)がめちゃくちゃヒットしてしまいます。
製品を調べてもなかなかヒットしません。製品が少ないのもあるとはいえですね。
あとがき
参考になれば幸いです。