この記事はシゲトーハックスのほうで投稿する予定の動画の台本を元に作成したものです。
この記事では、自作NASやファイルサーバー用のおすすめソフトウェアを3つ紹介していきます。
筆者自身、いくつかNASOSを使ってきていて、現在UbuntuとTrueNASを両方使っています
とはいえ知識の乏しい筆者がテキトーに選んだものですが、何卒よろしくお願いします。
今回選定したOSリストはこんな感じです。
- ZimaOS
- TrueNAS
- Ubuntu Desktop22.04/24.04
なお、これを見てOMVやUnraidやProxmoxがないと考えられる方もいらっしゃると思いますが、今回はこの3選ということでよろしくお願いします。
此処らへんをざっくりと解説すると、
- OMVはラズパイなどの低処理性能なマシンでも動くNAS向けディストリビューションです。
- Unraidは有料のNAS向けディストリビューションです。日本語では情報があまり多くないです。が使い勝手良さそうですね。
- Proxmoxは仮想環境構築に特化したディストリビューションで、これにSMBやTrueNASを入れてNASにすることもできます。
記事の注意点
- NAS用のOSにまつわる情報はWikipediaや会社のHPなどを参考にして作っていますが、間違っていたらすみません。
では、今回のコンテンツの流れを紹介します。
- 自作NASの簡単な説明
- 自作NAS OSその1 Zimacubeで話題?アプリが豊富で使いやすさ◯な ZimaOS
- 自作NAS OSその2 自作NAS OSの代表的存在!いろいろできるTrueNAS
- 自作NAS OSその3 筆者イチオシ!何でもできてランダムアクセスが速い? Ubuntu
- NASOSごとのおすすめする人の違い
自作NASとはなんぞや。
説明不要かと思いますが、簡単に解説します。
NASとはネットワークアタッチストレージのことでだいたいSMBあるいはNFSとかISCSIとかをつかってネットワーク経由で接続するストレージです。
ただ、NASの場合そこそこ強力なCPUを積んでいる事が多く、そこで大なり小なりDockerを使ってアプリを走らせられることが多いと。
特に自分で作る自作NASの場合CPU性能を盛りやすいので、いろいろなことをしやすいんですね。
例えば
- ローカルに簡単に建てられるクラウドのNextcloud
- P2Pでマルチプラットフォームに対応した同期アプリSyncthing
- ローカルで立てられるGoogleフォト的なフォトストレージサーバーのPhotoprismやimmich
- その他にPostgreSQLやSiYuanNoteやObsidian Selfhosted LivesyncやRustDeskなどなど
また、仮想環境を立てたり、ファイラーアプリでファイルの中身を確認したりもできるばあいがあります。
特に今回はNAS
ZimaOS
- 最近日本でもレビュー動画が出ているホームサーバーのZimacube。それに使われているOSがZimaOSです。
- ZimaOSはZimacubeやZimaboard以外にも、自前で用意したx64/x86のシステムにも搭載可能となっています。
共有について
- SMB共有が可能です。
- また、現時点でNFSやiSCSIなどは設定できないようです。
アプリについて
- デフォルトで非常に豊富なアプリストアがあります。
- さらにDockerを使えるので、かなり色々なアプリを導入可能
- また、更新も簡単だったりします。
特記事項
- 特殊機能としてThunderboltを用いたP2Pのデータ転送に対応しているとのこと
- しかし筆者がUSB4のPCで試したところうまくいきませんでした。Thunderbolt4だけなのでしょうか。
- その他にリモートアクセスやファイラー、RAIDや仮想環境機能があります。
- とはいえ、例えばMARVELLのUSB4 To 10GBEアダプタのドライバーを入れようとしたのですがうまくいきませんでした。
総評
- 簡単にSMB共有や様々なアプリのインストールが出来るのは良いポイントです。
- ただし細かい機能をいじろうとするのは大変そうですね。
- そのため、現時点ではあまりおすすめできませんが、お試しで入れてみてもいいかもしれません。
TrueNAS Scale
- Wikipediaによると、開発元はiXsystems, IncのNAS用のOSがTrueNASで、そのうちの1つが2022年2月22日に正式版がリリースされたTrueNAS Scaleです。
- TrueNAS ScaleはDebianベースのディストリビューションになっています。
- 設定に全体的にクセがある印象ですが、色々細かいことが出来ます。
- 体感的に日本語の情報はZimaOSよりも多いですが、Ubuntuよりかは少ない印象です。
共有
- SMB共有の他にNFSやISCSIやFTPやTimemachineの設定ができるようです。
- 共有を設定するために項目が多く、けっこう大変ですが、パスワードやSMBの規格など色々出来ます。
- ここらへんはさすがNASOSといった感じですね。
アプリ
- 24.10ではDockerでアプリを導入できるらしく、いろいろなアプリをインストールできます。
- デフォルトのカタログでもPostgresやPhotoprism、immichやNextcloud、Syncthngなどいろいろできます。
- ただ、CasaOSやZimaOSに比べるとアプリは少な印象です。
- アプリを導入するならDockerComposeを自分で書くか、別のOSがいいかもしれません。
Ubuntu Desktop 22.04/24.04
- カノニカル社から支援を受けて作成されている、大人気ディストリビューションがUbuntuです。
- デスクトップあるのがUbunutu Desktopで、ないのがUbuntu Serverみたいな感じですかね。
- ちなみに、Ubuntu Serverにあとからデスクトップを付け足すこともできるようです。
- とはいえ、今回はUbuntu Desktopで、デスクトップがあることで、簡単に操作ができると主張したいです。
- モニターやキーボード、マウスをマシンに繋いで、直接操作したり、あるいはRDPやCockpitを使ってローカルやリモートで操作したりも出来ます。
共有について
- 22.04ではファイラーのNautilusを使って簡単にSMB共有を設定可能でした。
- 24.04では、デフォルトでは対応していませんが、必要なパッケージをインストールすることで、SMB共有をNautilusを使ってGUIで設定可能です。
- また、FTPやiSCSIやNFSを使ったり出来ますし、netatalkを使うなどすればTimemachineのバックアップ先に設定が可能です。
アプリについて
- いろいろなアプリを導入可能ですが、特にCasaOSを導入することで、ZimaOSと殆同じ同様に多彩なアプリをインストール可能です。
- さらにRuntipiやCosmos Server、Umbrelなどなどアプリストア的なソフトはいろいろあるので、非常に多彩なアプリをインストールできます。
特記事項
- とはいえ、TrueNASやZimaOSに比べるとNAS向けのOSではないため、更新の管理が面倒だったりします。
- ただ、できることが非常に多いため、NASとしてもアプリサーバーとしても使いたいのなら一番オススメ。
おすすめする人の違い
ZimaOSをおすすめする人
- ZimacubeのOSに興味がある人
- いろいろ試してみたい人
- Thunderbolt4のP2Pに興味がある人
Ubuntuをおすすめする人
- SMBのランダムアクセスにこだわりたい人
- アプリ鯖もファイル鯖も何もかも1つのマシンで完結させたい人
- 日本語の情報が豊富なのがいい人
- CasaOSやCockpitやデスクトップを使いたい人
- EXT4などZFS以外のファイルシステムを使いたい人
TrueNASをおすすめする人
- NASとしての機能に特化したマシンが欲しい人
- 簡単にRAIDを組んだりSSDキャッシュを作ったりなど、NASとしての機能をGUIでサクッと使いたい人
あとがき
参考になれば幸いです。