2024/09/18追記、ソフトウェア関連については9月18日時点の評価となります。9月19日にOSのアップデートがあるので、それを使うなどしてから加筆修正します。
このコンテンツではTerramaster様より先行レビューでのPR用に提供いただいたF8 SSD Plusを実機レビューします。
F8 SSD Plusは以下のような特徴のNASです
- CPUはIntel I3-N305
- ストレージはNVME SSDスロット×8
- 10GBE RJ45ポートを1つ搭載
筆者自身これまでいろいろなNASを購入したり企業様から案件で提供やレンタルをもらったり作ったりしていて、NASに関する知見が多少はあるつもりです。
現時点で最高のNASはMS−01にUbuntu Desktopを導入してimmichやNextcloudやNetatalkやWsddなどのソフトをGUIやCUIで導入していくのが一番簡単ですし、コスパ良いですし、CPU性能は高いですし、何より汎用性が高いです。
そうしたUbuntu Desktop鯖とF8 SSD Plusとの比較などの比較もこのコンテンツでは今後行う予定です。
セール情報
初回割引として、Terramasterの新製品NASに対する100ドル程度の割引が日本のAmazonでも行われています。初回在庫分限定とのこと。
また、個人的にF4-424 Maxが、10G2つと1235Uを搭載しており、お勧めそうに感じましたので、こちらのリンクを貼っておきます。
F8 SSD Plusのスペックやセールスポイントは?
簡易スペックまとめ
F8SSDPlus | |
国内市場価格 | 135k程度 |
海外価格日本円 | |
国内発売 | |
CPU | Intel i3-n305 |
Passmark | 10k |
CinebenchR23マルチ | 4.4k |
メモリ | 16GB |
スロット | DDR5×1 |
M2SSDスロ | 8 |
2TB | 16TB |
4TB※ | 32TB |
USB4TB4 | なし |
10GBE | RJ45×1 |
独自NASOS | TOS |
メーカー所在地 | 中国 |
また、その他の特徴は以下のとおりです。
- メモリはECCメモリではないとのことです。また最大32GBメモリへの換装が可能です。
N100の2倍のマルチスコアの十分高い処理性能
最近のNASの現行機種では比較対象にもよるものの、5万円程度の機種はCeleron N5105やCeleron N4505などIntel N100よりも性能が低いCPUを積んでいるものが多いです。
13万円するF8 SSD Plusを比較するのは若干どうなのかとは思いますが、それでもN305はN100に対してPassmarkやCinebenchR23のマルチスコアで2倍程度の性能を叩き出しています。
NVME SSDを8枚搭載可能
F8 SSD Plusは8枚ものNVMe SSDを搭載することが可能です。
仮に2TBのSSDを使った場合16TB、4TBのSSDを使った場合32TBもの大容量オールフラッシュNASを構築可能となっています。
10GBEでこれまでのTerramasterのNASの2つの欠点の1つが解消
個人的にTerramasterのNASの重大な欠点2つはCPUの処理性能が価格の割には高い反面、ネットワークの速度とソフトウェア周りが他のメーカーに劣るというということでした。
例えば424シリーズはN95やN305などのCPUが搭載され、競合機種のN5105やN4505などに比べてCPU性能は強力でした。
しかし、ネットワーク周りがあまり優れておらず、例えばQNAPのNASなら10GBEに対応できるのに、424シリーズではLAGなどを使わない限り無理でした。
しかし、今回のF8 SSD Plus等新製品には10GBE RJ45が搭載されており、10Gbpsの速度を出せる模様です。
ネットワーク周りの弱点が改善されているのが興味深いですね。
外観やSSDの取り付け
開封などもこの項で行っています。
開封と外観
到着した箱はとにかくコンパクトで、小型なミニPCが入っていると言われても信じるほど小型です。
中身を開けていきます。
電源アダプタはこんな感じ。
外観についてはレビュー動画を投稿予定ですので、そちらでも解説します。
サイズ比較
ASUSTORのFS6712Xより圧倒的に小型です。
FS6712Xと実際に比較するとまさに容積は半分程度になっています。かなりコンパクトな印象を受けます。(容積はF8 SSD Plusのほうがでかいかも?と思い、Terramasterの公式サイトで調べたところ、F8 SSD Plusのサイズの情報が明らかに立方体のようになっていたのでTerramasterさんに確認してみます。)
分解
分解については、本体裏側のネジを手で回すことで中身を取り出すことができます。
メモリを外すとこんな感じ。ちなみにメモリはECCメモリではないと公式サイトに記載があります。
また、Terramaster様の担当者様によると32GBメモリまでの拡張に対応しているとのこと。Docker等でメモリが大量に必要な場合はメモリを増設してもいいかもしれません。
NVME SSDの脱着についてはプラスネジで固定する為、ツールレスというわけには行きません。
また、空間がかなりあり、少なくとも薄型のヒートシンクなら十分に取り付けられそうです。
スピードテスト
スピードテストをしてみました。
クライアントはCenturyのUSB4 To 10GBEアダプタを接続したミニPCで、10Gスイッチなどを経由し対象のストレージと10Gのリンクを確立した状態で行っています。
なお、特筆していなければフォーマットはEXT4となっています。
スピードについて個人的に重視している速度は上から3番目のRND4K Q32T1の値で、NASやファイル鯖によって変動しやすい傾向にあります。
F8 SSD PlusとLaxer NM7A1 2TBを接続した場合
F8 SSD PlusにNM7A1をシングルかつEXT4で構築した場合の速度がこちら。
F8 SSD Plusとエッセンコアクレブ C710 256GBを接続した場合
C710を1枚シングルかつEXT4で構築した場合の速度はこちら。
C710を1枚シングルかつBrtfsで構築した場合の速度はこちら。
C710を2枚かつRAID0で構築した場合の速度はこちら。
C710を6枚かつRAID6かつEXT4で構築した場合の速度はこちら。
C710を6枚かつRAID0かつEXT4で構築した場合の速度はこちら
C710を6枚かつRAID5かつEXT4で構築した場合の速度はこちら。
参考 UbuntuとFS6712Xで行ったテスト
FS6712XにC710×4をRAID0で構築した場合の速度はこちら。
FS6712XにC710×1のシングル、Btrfsで構築した場合の速度はこちら
FS6712XにC710×1のシングル、EXT4で構築した場合の速度はこちら
FS6712XにNM7A1×1のシングル、EXT4で構築した場合の速度はこちら
FS6712XにNM790 シングルで構築した場合の速度はこちら。
UbuntuにCrusialの謎のSSDをEXT4で接続して書き込んだ際の速度がこちら。
速度まとめ
- 上から3番目のRND4K Q32T1はF8 SSD PlusとFS6712Xは同程度で、Ubuntu MS-01のほうが早い。CPUやPCIeの規格などなにかに起因していると思いますが、何に起因するかはわかりません。
- 上から3番目のRND4K Q32T1以外はさほど変わりない
- F8 SSD PlusはEXT4が安定して早い。Brtfsは場合によって速度が落ち込むことがあります。
- また、6枚のRAID0よりRAID6のほうが早いこともありました。
OSの機能は?
SMBやFTP、WebDAVが使える
SMBやWebDAVが使えます。
自動再起動について
電源オフと電源オンをスケジューリングできます。
(ちなみにUbuntu Desktop鯖の場合Crontabを使う方法がありますが、基本CUI操作となります。)
MacのTimemachine
所定の設定がすめば簡単にTimemachineを作成できます。
Netatalkなどをインストールする必要はありません。
設定アプリについて
設定アプリに非常に機能が詰め込まれています。
- リソースモニター
- ストレージプール設定
- ボリューム設定
- ネットワークインターフェース
- SMBやNFSなどのファイルサービス
- セキュリティ
などなどです。設定アプリは同時に一つしか開けないので、上記機能などが排他となってしまうのが困るポイントです
セキュリティ機能(ファイアウォール
ファイアウォールも設定できます。
セキュリティ分離モード
セキュリティ分離モードはセキュリティを強化する特殊なモードです。
SSHを無効化したり、プログラムのいち部をインストールできなくしたり、ローカルからしかアクセスできなくしたりします。
また、TOS5ではセキュリティ分離モードにしているとTOSに新規アプリをダウンロードしてインストールできないことがあったのですが、これも現バージョンでは改善され、インストールできるようになっています。
その他の使用感
ストレージプールやボリュームを頻繁に削除や生成したり、大量にファイルを書き込むと、ネットワーク上でTNASが見えなくなります。その場合は再起動で解決します。
2024/10/10追記、ファイアウォールで外部からのアクセスを禁止して、ローカルのみアクセスできるようにしたらクラッシュの頻度がかなり下がりました。
また、以下のような機能があります
- WSDDの有効化
- SMBマルチチャネル
- リモートアクセス
TNASに導入できるアプリは?
Dockerも導入できそう
Docker Composeなども使えそうなアプリがあります。
同期系
同期系のアプリとしては、純正のTerrasyncやNextcloudなどがあります。また、Dockerなどを使えばSyncthingなども導入できそうです。
ちなみにTNASアプリのNextcloudを導入してみたところ、Mysqlなどデータベースを設定する必要があるようです。難易度が高そうです。
写真管理アプリについて
immichと比較
筆者はUbuntu鯖にimmichというセルフホスト可能なサービスを入れています。
このimmichが優秀なサービスで、
- サムネイル画質やプレビュー画質などを細かく設定可能
- 純正のAndroidアプリがある
- 機械学習で人の顔やジャンルを識別可能
- サムネイルや機械学習はハードウェアアクセラレーションを設定できる
また、特に有能な機能を一つ上げるなら、外部ライブラリというファイルの保管場所を設定することで、写真や動画のデータをそこから参照してタイムラインを作ってくれることです。
いつでも元データにアクセスすることができ、WindowsのエクスプローラーやEverythingと組み合わせるととても便利です。
純正フォトストレージアプリ Terra photos
純正ストレージアプリとしてはTerraphotosがあります。これとImmichを比較するとこのようになります。
immich | Terra Photos | |
サムネ画質設定 | ◎ | ◯ |
外部ストレージの設定 | ◯ | ◎ |
機械学習系機能 | ◯ | △ |
純正アプリ | ◎ | ◯ |
サムネ画質設定はTerraphotosもできるものの、普通品質と高品質の2種類しかありません。
機械学習系の機能としてはTerraphotosは人物の顔を識別する機能のみで、例えば写真に写ったオブジェクトを検索する機能などはありません。
純正アプリの使い勝手もimmichのほうが使いやすいです。
ただ、外部ストレージについてはTerraphotosは複数設定することができます。
immichは少なくとも7月頃調べた限りでは外部ストレージは一つしか設定できなかった気がします(現在は違うかも)
複数のディレクトリを設定したい場合はTerraphotosも良いポイントですね。
余談
ImmichやNextcloudの導入の難易度が高そうなことにあれこれ言っていましたが、やり方次第ではTerraphotosやTerrasyncなどの純正アプリでも対応ができそうなので、必ずしも必要ではな差そうだと感じました。
TNASに対するクライアント用アプリは?
クライアントアプリの重要性
TerramasterのNASはクライアントアプリの機能が乏しいという難点がありました。
ただ、クライアントアプリについては必ずしも必要ではなく、例えばWindowsならRobosyncやBunbackupなどの便利なアプリがあります。
ただ、問題はMacやAndroid、Ubuntuなどで、無料でGUIが充実していて使いやすくてトラブルや失敗もしにくいアプリがなかなかなかったりします。
(筆者自身この3つについてRsyncやFoldersyncなどのアプリをつかってうまいこと写真だけバックアップする方法を模索していましたが、なかなかうまく行きませんでした。)
(最終的に、MacはNextcloud経由でWindowsのフォルダに写真を飛ばしてBunbackupでバックアップしたり、Androidは使いやすいものの優良なPhotosyncに課金したり、Ubuntuはそれそのものを挫折したりしました。)
しかし動機などに対応したクライアントアプリがあれば、そうしたアプリ不足を解決できます。
しかもTerramasterのクライアントアプリは、AndroidにもiPhoneにもWindowsにもUbuntuにもMacOSにも対応したものがあります。
今回は5つの機器でそれぞれいくつか機能を試していきます。
Windowsの場合
2つのミニPCにTNASクライアントをインストールし、Windowsのセキュリティからアプリのファイアウォールの設定をいじったところ、両方ともTNASを認知しました。
また、Terrasyncでバックアップや同期のタスクを走らせようとしましたが、コレもうまくいかず。
Macの場合
Macの場合もTerrasyncでバックアップや同期のタスクをうまく設定できませんでした。
Androidの場合
Xiaomi 11Tに導入してみて、写真と動画の自動バックアップをオンにしていましたが、バックグラウンドでバックアップを走らせようとすると止まります。
一方で物理メモリが12GBのOUKITEL WP30 Proだとバックグラウンドでも動作していました。メモリ容量次第ではバックグラウンドでも安定動作するかもしれません。
また、以前はGooglePlayストアからTNAS Mobileアプリが見つからないため、サイドロードする必要がありましたが、現在はGoogle PlayストアのTNAS Mobileアプリが復活しています。
iPadの場合
iPadの場合も写真フォルダ限定ですが、バックアップができそうです。
ちなみにiPadを動画撮影に使う場合はBlackmagic Cameraを使うことで、ファイルアプリで指定したサーバに保存することができます。
なので、やろうと思えば撮影した動画を直接TNASの共有フォルダに自動保存することができます。
クライアントアプリ総評
PC向けアプリはうまくTerrasyncが機能しなかったり、Android向けアプリはバックグラウンドでの動作に難があったりしました
ハード・ソフトにまつわるその他の情報
冷却については?
F8 SSD Plusは本体底面に小型なファンが2基あり、これでCPUやSSDを冷やす物となっています。基本的に冷却は十分ですが、悪条件が重なると冷却不足に陥る可能性があると思います。
F8 SSD PlusはNVMe SSDの温度が高くなりすぎると警告音が鳴ります。
この警告音が以下のような場合で発生しているのを確認しています。
- RAID6のSSD6枚の共有フォルダで圧縮をしていて、
- そのうち何枚かのSSDには薄型で冷却力が弱そうな非純正のヒートシンクを付けていて、
- 室温が31度
とはいえ、室温を下げたり、ヒートシンクを別の分厚く冷却力が高いものに変更すれば、冷却不足を改善できる可能性があります。
別のOSをインストールできる?
メーカー製のNASキットにTrueNAS等の別OSをインストールさせるということも行われる場合があります。
担当者さんにF8 SSD Plusに別OSを導入できるか質問したところ、導入自体は可能ですが、技術サポートを行えなくなるとのこと。
メリット、デメリット、その他の点
メリット
- かなりコンパクトな筐体
- NASとしては十分高いCPU性能と16GBメモリ
- 8枚のNVMe SSDを搭載可能で、大容量オールフラッシュStorageを作れる。
- RJ45 10GBE対応
- 静音
このような感じでしょうか。高いCPU性能に加えて、10GBEへの対応や8枚ものNVMe SSDを搭載かのうなことなど、ハードウェアを中心にかなり強化されている印象です。
10GBEについて補足情報
Terramaster F8 SSD Plusの10GBEはRJ45が1つだけです。
そのため2つ懸念点があります。
① SFP+のほうが発熱や消費電力などの点から有利ではないのかという点
ただ、その一方でSFP+は対応しているスイッチやその他の製品が少なかったり、銅線のケーブルが高価であることや長さの成約などのデメリットがある場合があったりしますので、必ずしもデメリットであるとは言えません。
(個人的にはSFP+のほうが嬉しいですが)
② 10GBEが1本しかないため、冗長性や速度などの点で気になるのではないかという点
これは人によってはデメリットですね。
考えられる解決策としては、3つあるUSB 10Gbpsポートのいくつかに2.5GBEあるいは5Gbpsのアダプタを刺してLAGやSMBマルチチャネルなどを形成することぐらいでしょうか。
最近ではUSB3.2 Gen2などから5GBEに変換し、実測4.7Gbps出る有線LANアダプタもアリエクで6000円程度で販売されていますから、ドライバの対応次第ではなんとかなるかもしれません。
デメリット
- コスパは悪くないが、価格が高価
- トラブルシューティング時の情報がUbuntuやQNAP NASなどに比べて少ない
- OSは改善されているとはいえ、完成度は低め?
- 大量のファイルを書き込むと不安定になり、ネットワークフォルダが見えなくなるなど、安定性に欠ける。せめて1日は起動させっぱなしで使い込んでも問題なくあってほしい。
デメリットはこんな感じです。改善されてきているとはいえ、ソフトウェア周りに難がある印象です。
また、トラブルにあったときにネットで情報を調べても殆ど英語だったり、そもそも情報自体がなかったりします。
それらを乗り越えていけるタイプの人だと良いかもしれません。
せめてDocker Composeなどを使えればかなり色々使えるのではと思いました。
ただし、主たるデメリットは価格以外はソフトウェア関連なので、今後改善される可能性もあると思います。
その他のポイント
- USB4非搭載
- 中国メーカー
- クライアントアプリが充実しているが、機能が微妙
余談 競合機種との比較
MS-01 Ubuntu鯖と比較してどうか
Ubuntu Desktopで作った自作鯖に比べるとこのような表になります。
Ubuntu自作鯖 | TNAS | |
CPU性能 | ◎ | ◯ |
ストレージ | ◯ | ◎ |
10GBE | SFP+×2 | RJ45×1 |
ヘッドレス運用 | △ | ◎ |
ネットの情報量 | ◎ | △ |
クライアントアプリ | △ | ◯ |
Ubuntu Desktop鯖が優れいているところは、安価で強力なCPUのハードであるMS-01をつかえることで、さらに、トラブルややりたいことができたときにネットで調べて解決することが容易いということがあります。
Ubuntuは人気のOSということもあり、わからないことが合っても日本語で書かれた情報を参考にできることが殆どです。
TNASの場合はネットの情報があまり多くないので、日本語はおろか英語でも情報が見つからないこともあります。結果としてわからないことができたときに解決が大変かもしれません。
一方で、ヘッドレス運用ができたり、クライアントアプリが用意されているのは良いポイントだと感じました。
ASUSTOR FS6712Xと比較してどうか
FS6712Xと比較してこんな感じです。なお、FS6712Xは2023年4月下旬に発売されて、それから1年以上経過している上、今後その後継機種が発売される可能性があることをご留意いただけますと幸いです。
FS6712X | F8 SSD Plus | |
CPU | N5105 | N305 |
メモリスロット | DDR4×2 | DDR5×1 |
メモリデフォルト | 4GB | 16GB |
サイズ | 大型 | 小型 |
HDMIとS/PDIF | あり | なし |
NVMe SSDスロット | 12スロット | 8スロット |
NASアプリの充実度 | ◯ | △ |
クライアントアプリ充実度 | △ | ◯ |
OSの使いやすさ | ◯ | △ |
処理性能の高さやコンパクトさではF8 SSD Plusのほうが上ですね。
一方で、FS6712XはNASのアプリが充実していて、OSも使い勝手がいい印象です。
4機種と比較してどうか
競合となりそうな現在発売中のNAS3種類とNAS作成にうってつけなミニPC1種類とで比較をしてみます。
F8 SSD Plusと、SFP+を備えるベアボーン版ありのミニPCMinisforum MS-01、後継機種も今後出るらしいものの、少なくとも現在発売中のFlashstor FS6712X、現在ジンドンなどで発売中でグローバル展開が明言されているものの日本ではまだ発売されていないUGREEN DXP480Tの4機種のうち筆者の独断と偏見に基づきスペックを抜き出して比較していきます。
F8SSDPlus | MS-01 | FS6712X | DXP480T | |
国内市場価格 | 135k | 67k | 130k | |
海外価格日本円 | 73k(ジンドン | |||
国内発売 | 確定 | 発売中 | 発売中 | 可能性あり |
CPU | n305 | 12600H | N5105 | 1235U |
Passmark | 10k | 23k | 4k | 13k |
CBR23 M | 4.4k | 13.7k | 2k | 7.8k |
メモリ | 16GB | 0GB | 4GB | 8GB |
スロット | DDR5×1 | DDR5×2 | DDR4×2 | DDR5×2 |
M2SSDスロ | 8 | 3 | 12 | 4 |
2TB | 16TB | 6TB | 24TB | 8TB |
4TB※ | 32TB | 12TB | 48TB | 16TB |
USB4TB4 | なし | USB4×2 | なし | TB4×2 |
10GBE | RJ45×1 | SFP+×2 | RJ45×1 | RJ45×1 |
独自NASOS | TOS | なし | ADM | UGOS Pro |
メーカー所在地 | 中国 | 中国 | 台湾 | 中国 |
特記事項 | 上位機種あり | S/PDIFあり | ||
PCIeスロットあり | ||||
2.5G×2もある | ||||
まず値段の安さとCPU性能だけ見ればMS-01が圧倒的です。ただ、他の3機種とは違い独自のNAS向けOSがなく、自前でOSを用意する必要があります。
また、PCIe拡張スロットもあるとはいえ、デフォルトではSSDを3枚しか積めません。(M.2と排他のU.2スロットもあるとはいえ)
FS6712Xは1年ほど前の機種ということもあり、CPU性能が弱いですね。ただし今後新機種が出る場合も考えられます。
値段や処理性能のバランスがよくNAS OSが提供されている機種だとDXP480T Plusでしょうか。
ただ、現時点では日本で発売されていませんし、発売されない可能性もあります。また、日本で発売される際に価格が高くなる可能性もあります。
そうしたことを踏まえると、現時点でF8 SSD Plusは処理性能は競合に比べて若干控えめですが、そこそこの処理性能を持ちSSDスロットも多くて値段もそこそこな機種になっているのではないかと思います。
あとがき
参考になれば幸いです。