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↑諸事情からかなり低品質な記事になってしまいました。申し訳ございません。

NAS/ストレージ

【N4505】F2-223を実機レビュー

2023年9月19日

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この度は、Terramaster様より提供をいただきF2-223を実機レビューさせていただきます。

F2-223はCPUにN4505を搭載したTerramaster製のNASです。

N4505はデュアルコアデュアルスレッドのCPUで、これまで筆者が使用してきたNASの一つのCPUのJ1900の2倍のシングルコア性能を持っています。

また、デュアル2.5GBEポートやデュアルM.2 SSDスロットを搭載しています。

特筆すべきはそのお値段で、N4505の2ベイNASとしては2023/09/09時点で35000円程度の価格となっており、これは似たような構成のQ社製のNASより1万5千円以上安いです。

その競合NASと違って10GBEの増設ができないことや、ソフトウェアの機能などで劣る点こそあれど、十全に選ぶメリットがある魅力的なNASだと感じます。

今回はTerramasterやQNAPのNASなどNASを6機種使ってきた筆者が、このF2-223のレビューを敢行しますね。

実機テスト

開封~箱の中身はなんじゃらほい~

まずは開封に至ります。

メタルな筐体です。

ちなみにLANケーブルはCAT 6でした。

2.5GBEを確実に活かすためにもできればCAT 6Aだと良いと思うのですが、LANケーブルにまつわる情報って結構複雑なので間違ってるかもしれません。

2.5GBEを2つ、USBポートを2つ、HDMI端子を1つ搭載しています。

欲を言えばPCIeスロットを1つ欲しかったです。

前回提供をいただいたF2-212と比較するとこんな感じ。性能が高いF2-223の方がコンパクトという逆転現象

分解~ガワの中身はなんじゃらほい~

それでは早速分解に取りかかります。なお、この工程を試すのはくれぐれも自己責任でよろしくお願いします。

必要なモノは金属部分が長めのプラスドライバーです。

4つのネジを外します。

後ろ側のファンのついた蓋を外したら、前側を引っ張って、ケースから内部部分を外します。

なお、その際に配線を断線させないように注意しましょう。

中身が見えました。

ちゃんとM2 SSDスロットも2つありますね

メモリを増設しようとするなど

このTerramasterのNASは最大でも32GBメモリまでの増設に対応しているとのことです。

ただし互換性がないメモリはDDR4-2666などでも増設ができない場合があるとのことです。

筆者がテキトーに入手しておいたメモリを増設して電源を入れると、ピープ音が鳴り響き続け、起動できませんでした。

互換性があるメモリを用意した方が良いですね。

2.5 SSDを取り付ける

先述の通り、F2-223は3.5インチベイを2つとM2 NVME SSDスロットを2つ搭載しています。

ストレージについて勘案した結果、筆者が所有する使い古された2.5インチ SSDのSAMSUNG製のものを2つ使うことに。RAID0構成で冗長性を捨てて速度と容量を追求します

なお、メモリやSSDやHDDについては互換性がないものもあるようなので、Terramasterの公式サイトで確認してください。

初期設定

初期設定は少々躓く点こそあれど、うまくいきました。

リンクアグリゲーションを使ってみた

TerramasterのNASはリンクアグリゲーション機能を搭載しています。

4種類のリンクアグリゲーションモードがありますが、モード4は速度が向上しなさそうだったので、それ以外の3つを試しました。

ただ、速度を出せるかについてが全くうまくいきませんでした。

このF2-223は2.5GBEポートを2つ備えていて、うまくいけば5Gbpsの速度が出せるものと思われます。

しかし2.5GBEを超える速度のイーサネットポートを搭載したデバイスがF5-422しかないため、どうにかこうにかTerramasterのNASからTerramasterのNASにデータを転送する方法を探し、いろいろ検証したのですがそのような方法は見つかりませんでした。

担当者さんに確認。

Terramasterさんの担当者さんに確認しました。

まず、筆者が使っているアンマネージドなハブでは、どうやらモード1のリンクアグリゲーションしか対応していないとのことでした。

続いて、TerramasterのNASどうしてデータをやりとりする方法も伺いましたが、そのような方法はなさそうでした。

これは個人的な推測で、実際に使ったわけではないのでわからないのですが、一方のDockerに何かのアプリを導入して、そこからもう一方のNASにSMB経由でデータを転送するなどはできると思います。多分。

そこで考えたこととして、QNAPのUSB3.0から5GBEに変換するWindowsにも対応したアダプタを使うことです。

これはすでに購入済みなので、後々検証しますね。

検証した結果

とりあえずいくつか検証しましたが、うまくいきませんでした。

2024/01/16追記 ちょっと上手く行ったかも?

TOS5.1.103にアプデしたF2-223の2.5GBEをBUFFALOの2.5/10Gのアンマネージドスイッチに接続し、さらにアンマネージドスイッチを経由して3つのPCから書き込ませた場合に3つのPC合計で2500Mbpsを大幅に超える速度で書き込みできていたので追記します。

一方、Terramasterとハブの接続はそのままに、1つのPCにQNAPのUSB-5GBE変換アダプタ経由でハブに接続した場合は2.5Gbpsが上限でした。

複数端末から接続する場合の速度上昇が見込めそうですね。

NVME SSDオンリーでの運用 いけそう

3.5インチベイに何も取り付けず、NVME SSDを1つだけ取り付けて見たところ、少なくとも初期設定と基本的な設定、データの転送は可能でした。

読み書き速度はこんな感じ。CFDのSSDを使っています。

スピードテスト

F2-223にLexar NM790 2TBを1枚搭載し、ミニPCであるGEEKOM IT13の2.5GBEポートとスイッチを介して接続した際のスピードテスト結果がこちら

上記と同様の条件でSSDのみエッセンコアクレブ C710に変更した際のスピードテスト結果がこちら。

メリット

N4505搭載NASとしては最安レベル

CPUにはN4505を採用しています。

N4505はデュアルコアで、Passmarkは1200ぐらいです。たとえばJ1900よりもそのほかのベンチマークスコアが高いです。

N4505を搭載したNASですと某社のものが2023/09/13時点で5万円程度で販売されてます。

TS-262は2023/09/13時点で35000円ですので、それよりも15000円程度安いです。

ちなみにその某社のNASはPCIeスロットを搭載し、10GBEのカードを増設したうえで、10GBEを生かし切れるだけの速度も出せるようです。

そういった意味ではこのF2-223もその程度のポテンシャルはあるとみて良いかもしれません。残念ながら10GBEカードの増設には対応していませんが。

ちなみに、その某社のNASも15000円程度現時点では高いですが、PCIeスロットなどをはじめとした有利な点もあるため、そちらとスペックを比較した記事を出しても面白いなあと思ったりしています。

ちなみに、また別のNASでも5万円程度でJ4125を搭載し、10GBEを増設できるPCIeスロットを搭載していないモデルもあります。

M2 SSDを2つ搭載できる

オンリーワンも素晴らしいことです。

しかしナンバーワンを追い求める人もそれはそれで良いと思うんですよね。

何の話かというと、F2-223はとあるナンバーワンといえる特徴があります。

それは、2023/09/13時点で最もM2 PCIe SSDスロットを搭載したもっとも安いNASだということです。

2023/09/13時点では35000円程度ですが、他社のNASも十全に頑張っているとはいえ5万円程度します。

M2 Nvme SSDを積むことで、いろいろなメリットがあります。

SSDをNASのストレージにするメリット

まずシーケンシャル速度を早くできること。ただしNASの場合はネットワークがたとい10GBEに対応していたとしてもボトルネックになってしまうでしょうから、シーケンシャル速度は底まで気にしなくても良いかもしれません。

もっと重要なことは2つあります。

ランダム速度が向上できることです。

ランダムアクセス速度の向上とHDD NASとの比較

小さいファイルを大量に送る場合はHDDなどランダムアクセスが遅いストレージだと時間がかかることが多いです。

これを解決するために例えば圧縮して1つのZIPファイルにしてから送るという手もありますが、圧縮するための手間も時間もマシンリソースも割かなくてはいけませんし、その逆、解凍するときも然りです。

しかしランダムアクセスが速ければ、たとえ小さいファイルを大量に送る場合でもそこまで速度が落ちません。

それを検証するために以下のテストを行いました

  • HDD×5のRAID0のNASと、SSD×2のRAID0のNASにWindowsから同一のベンチマークソフトが入ったフォルダを転送する。
  • ベンチマークソフトフォルダの中身は解凍されていて、ランダムアクセス速度を検証しやすい形になっている
  • ネットワーク速度は両者ともに2.5GBEがボトルネックとなっており、2.5Gbpsの速度が出る

この条件の元、HDD×5のRAID0のNASに投げる場合は6分かかりました。

しかし、このF2-223をSATA SSD×2のRAID0構成にして投げると2分50秒で転送が完了し、ランダムアクセスにおいてHDDよりも優れた性能が出せていると考えられると思います。多分。

そして一般的にSATA SSDよりもNVME SSDのほうがランダムアクセスが速い傾向にありますので、より高速に転送できる場合があるかもしれません。

また、まだ試していないので実際にできるかはわかりませんが、M2 SSDを2つ、SATA 2.5インチ SSDを2つこのF2-223に搭載し、4つのSSDでRAIDを組む、というのも面白そうですよね。夢があります。

その他には、SSDをストレージにすることで振動を減らせ、さらに消費電力も抑制できる可能性があります。

コンパクト

2ベイのNASなので4ベイのものに較べてコンパクトです。

Dockerやセキュリティ分離モードを使える

TerramasterのNASは機能が他社のNASに較べて劣ったり不充分だったりする場合が多いのですが、Dockerやセキュリティ分離モードが使えます。

Dockerを使うことでアプリサーバー等として使える場合があります。

また、セキュリティ分離モードというTNASがインターネットを制限する機能で、セキュリティが強化できると思われます。

但し、実際に長期的に使ってみないことにはわかりませんが。

デメリット

情報量が少なく、やりたいことや解決したいトラブルがあってもうまくいかない場合も

TerramasterのNASは情報量が少ないです。

競合他社のNASの中には人気のためにさまざまなハウツーやトラブルシューティングがネット上に掲載されているモノがあります。

しかしTerramasterのNASについてはネットで情報が少ないです。

追記、とはいえ英語版の公式サイトや、海外のフォーラムでハウツーや解決にまつわる情報が乗っている場合があります。

そのため、やりたいことの実現方法や、うまくいかないことの解決方法を調べても出てこない場合があり、自力で試行錯誤したり諦める必要があります。

筆者も以下のような経験があり、解決は結構大変でした。

  • クライアントアプリ上からTNASが消失し、見えなくなる
  • RAIDの構成方法がわからなくなる
  • TNASからTNASに接続する方法がわからない
  • リンクアグリゲーションの組み方がわからない

自力で解決するための労力や時間や気力を惜しまない人向けの製品だとは思います。

但し、ある程度自力でなんとか出来、さらにうまくいかないことの代替策矢解決策を見つけられる人にとっては良いデバイスかと思います。

追記、またTerramasterでは公式のトラブルサポートがあります。トラブルサポートの品質は評価が分かれているようですが、そういったところを確認されるのもアリですね。

その他のポイント

10GBEは対応不可だが5GBEは対応可能かも?(要検証)

このF2-223は2.5GBEを2つ搭載していますが、5GBEや10GBEは搭載していません。

5GBEについては、QNAPがUSB3.0からの変換アダプタを出しており、これを使えば5GBEに対応できる可能性はあります。

しかし、10GBEに対応させるためにはThunderbolt4かPCIeカード用スロットのどちらかが必要ですが、ざんねんながらこのF2-223には搭載されておらず、10GBEの増設はよほどの出費をしないと不可と思われます。

例えば、2.5GBEとUSBの変換アダプタを2つ搭載し、2.5GBEが4つある状態にして、それを高価なアンマネージドスイッチングハブでリンクアグリゲーションする、ぐらいしか思い浮かびません。この時点で5万円ぐらいは出費が必要となるはずです。イヤーキツイ。

メモリは増設できないモノも

規格が合っていても、互換性がなくメモリを増設できない場合があります。

基本的な使用ではデフォルトで4GBと十分な容量を積んでいることもあり、大丈夫ですが、SSDキャッシュやDockerを使う場合には足りなくなる可能性は否定できません。

その他のポイント、イーサネットの構成について

今回このF2-223を評価するにあたって特に興味があったのがネットワークの構成です。

M2 SSDを取り付けられるなどストレージ部分は高速にできますが、ネットワーク部分を高速にしにくい印象がありました。

リンクアグリゲーションはうまくいかなかった

2時間ぐらい設定をいじっては再起動するなどしていろいろと試しましたが、リンクアグリゲーション機能を用いて5Gbpsや7.5Gbpsの速度でのデータ転送をすることができませんでした。

他のメーカーのNASやリンクアグリゲーションについての情報を簡単に調べた結果、間違っているかもしれませんが、おそらく対応したスイッチングハブが必要だと思われます。

筆者はプラネックスやバッファローのアンマネージドハブしか持っていないので、実現することができませんでした。

5Gbps以上のデータ転送のために必要と思われるパターン

5Gbps以上でデータを転送する際に必要と思われるパターンを用意しました。

すべて実際に実現できたわけではないので、あくまでも参考程度かつ自己責任でお願いします。

お値段が張るハブ?

マネージドなハブがあればいける可能性はあります。

ただ、マネージドハブはお値段が5万円ぐらいしたので少々厳しいかもしれません。

USBと5GBEとを変換するQNAPのアダプタ

個人的に試してみたいのはこれですね。

QNAPはUSB3.0と5GBEとを変換するアダプタを販売しています。

一般的に2.5GBEとUSBを変換するアダプタは3000円ぐらいですが、5GBEのこれは13000円ぐらい(2023/09/10時点で)です。

F2-223やTerramasterの別のNASで試したという情報は特に見つかりませんでしたが、仮に使えたとしたら良いかもしれません。

2023/09/19追記、実際このQNAPのアダプタを試しましたが、さほど速度は出ませんでした。

PCとの直結?

IPアドレスをいぢくり廻す必要性があり、筆者も試してみましたがうまくいきませんでしたが、IPアドレスを編集してPCやMacなどと直結して使うのも一つの手です。

これは複数の機器からアクセスした際の合算の速度を向上させるのに使えると思います。うまくいけば。

本当に2.5GBEではだめなのか?

2.5GBEを超えて速度を出すのが意外と難しいようなF2-223ですが、果たしてSSDを使うなどして高速なストレージにした場合、2.5GBEではだめなのでしょうか?

まずはデータ転送の速さだけに従って考察してみます。

シーケンシャル速度が500MB/sぐらいのSATA SSDをRAID1で搭載し、2.5GBEをシングルで運用した場合と仮定します。

シーケンシャル速度ではボトルネックになる

シーケンシャル速度として考えると、2.5GBEだと300MB/sぐらいが上限なので、500MB/sを出し切れないことになると思われます。

特に巨大な少数のファイル、例えば大容量の映像ファイルやZIPファイルなどを流す場合にはボトルネックになりがちだと思われます。

ランダム速度なら活かしやすい

一方でランダム速度、小さいファイルを大量に送る場合は、2.5GBEがボトルネックにならない可能性が高いと思います。

例えば圧縮していない数GB程度のゲームアプリとか、細かーいファイルを数十万ぐらい送る場合はランダム速度を活かせる可能性があります。多分。

データの種類でも変わってきそう

データの種類によっても2.5GBEがボトルネックにになるかならないかは変わってきそうですね。

USB接続やDockerを使うなら活かしやすいかも

また、頻繁にF2-223をDASにデータをバックアップしたり、Dockerを用いて何らかの処理をさせる場合は、SSDが高速な方が良いかもしれません。

評価

気になる点もあるが

確かに10GBEを搭載できない点や、他社のNASに較べるとソフトの機能があまり良くなかったりといったデメリットはあります。

コストパフォーマンスは秀逸。

しかしこのようなコスパの良いNASは結構良いのではと思います。

2023/09/09時点で35000円で、N4505で4GBメモリ、2.5GBE×2にデュアルM2 SSDスロットも積んだNASは、自作でもしないと作れないのではないかと思います。

それに仮に自作するにしても、知識がそこそこに必要ですし、HDDを搭載すると配線だらけになりがちだと思うんですよね。

TerramasterのNASは使用している人が少ないためにあまり情報が出回っていない部分もあり、自分で試行錯誤しないといけない部分もありますが、それでも自作NASを作るよりかは簡単な気がします。

もちろんわからないことがあった際にQ社やS社のNASの方が良い部分もあるとは思いますが、Q社やS社のモノを上回るコスパがあると思います。

多少自分の時間を使っても良いから安いNASが欲しい。というのならとても

3万円で、と考えたら最適解の一つ

正直な話、3万円でNASが欲しいと言われたらこれをおすすめするぐらいには良い機種だと思います。

IntelのエントリーCPUを積んでいて、M.2 SSDスロットが2つあり、2.5GBEも元から2つついていて、基本的な機能やDockerやセキュリティ分離モードにも対応していますからね。

競合他社さんのほうがソフトウェアや安心感の点では強いかもしれませんが、人によってはデメリットを呑み込んだ上で、このフィジカルとポテンシャルの高さからF2-223を選んでも良いかもしれません。

筆者の現状の使用方法

記事執筆時点では5gbps以上の速度が出せなさそうだったのですが、SSDのランダムアクセス性能の高さに心引かれたため、サブのNASとして活用しています。

基本的にはHDDでRAID0で10GBEのF5-422を使いますが、ソフトウェアや写真ファイルなど細かいファイルにおいてはF2-223を使うことにします。

あとがき

参考になれば幸いです。

ご覧頂きありがとうございました!

 

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