この記事では、TerramasterのNASを実機レビューします。
TerramasterといえばAMazonでも結構見かけるNASメーカーです。
いろいろなサイトを見るとソフトウェアの安定性の面などからあまり評判は良くないようです。
しかし特筆すべきはそのコストパフォーマンスの高さです。
中古市場でも安く販売されています。
コスパの良さから、中古のジャンク品のTerramasterのNASを購入しました。
実際に使ってみてわかったことなどを話していければいいと思っています。
ちなみに僕自身、NASをこれまで5つ購入してきました。
自作NASなども作っています。
だからこそわかったことなどもあるかもしれません。
ということでレビュー記事を作成していきます。
なお、現在では似たようなスペックのNASが販売されています。
ベイ数が多めで、同じぐらいの処理性能で、4GBメモリを持っています。ただしこちらは10GBEに対応していません。
購入に至った経緯
購入に至った経緯はこちら。
NASは値段が高い
NASって性能の割には値段がちょっと高めなところがあります。
そりゃあミニPCにHDDを格納できるベイや、独自に作成したOSなどが加わるわけなので、仕方ないとは思うのです。
しかしそれでも高いといえば高いかなと思ってしまいました。
たとえば、Jasper Lakeのそこそこ使えるCeleronであるN5105やN5095を搭載した4ベイNASだと、他の大手メーカーのものだと9万円ぐらいになります。
ちなみに、N5105やN5095を搭載したミニPCの場合、大体2万円程度で購入ができます。
そして4ベイのエンクロージャーは2万円も出せば購入可能です。
9万円と2万+2万で4万円(;・∀・)
ちょっと価格差がどうしてもありますね。
TerramasterのNASは値段の割に性能が高い
さて、TerramasterのNASで優れているのはその値段の悍ましさ。
なんと大体7万円ぐらいとなっています。
それでも高いといえば高いかもしれませんが、競合のメーカーさんよりも値段が安いのが魅力となっています。
とはいえ、評判はあまり良くないのかも?
あまり評判は良くない印象でした。
ソフトウェアの出来がQnapやSynologyと比べるとあまり良くなかったり、ハードウェアに不具合があったり、サポートがあまり対応が良くなかったりしていたらしいです。
あくまでも伝え聞く限りですが。
しかしそれでもこのハードウェア性能は魅力的だよなあとずっと思っていました。
運良く中古品を購入
そこで購入ができないかなと付け狙っていたところ、最近購入できるチャンスに恵まれました。
メリット
メリットはこちら
マシンパワーが強力
中古とはいえ2万円を切るような価格で、Celeron J3455を搭載しています。
J3455は古めのCeleronですが、Passmarkは2200程度で、NASとしては十分使えるスペックを持っています。
僕はQNAPのNASで、Passmarkは1000程度のものを使っていますが、十分に快適です。
それよりも2倍のCPU性能を持っていると言うのが素晴らしいですね。
5ベイかつ基本的なRAIDに対応
5ベイのNASとなっています。
公式サイトを見る限りでは、いかの基本的なRAIDに対応しているようです。
- RAID1
- RAID0
- RAID5
- RAID6
- RAID10
Dockerの導入が可能
TerramasterのNASはDockerの導入も可能となっています。
Dockerとは仮想環境みたいなもので、アプリなどを動かすことができます。
別のOSのインストールも可能らしい。
TOSではなく別のOSのインストールも可能らしいです。
J3455なので、Linux系のOSなら用途次第ですが十分動くかと思われます。
10GBEに対応
とても優秀なポイントの一つとしてデフォルトで10GBEに対応している点が上げられます。
ネットワーク経由でデータ転送を行うNASにとって、10GBEという高速なデータ転送に対応している点はメリットですね。
デフォルトで対応しているというのもグッドです。
QNAPのNASにもPCIeスロットを用いて10GBEに拡張できるモノもありますが、別途の出費が必要であったり、元から搭載されている2.5GBEのポートを生かしにくくなったりするなどの懸念があります。
しかしこのF5-422はデフォで対応しているので非常に良いですね。
デメリット
デメリットはこちら
情報量が少ない
RAIDの移行など色々な動作を試したのですが、とにかくネット上の情報量が少ない印象を受けました。
ハードウェアやコストパフォーマンスがいいだけに、そこはちょっと微妙でした。
初心者の方にはQNAPやSynologyの方がいいと思います。
日本語翻訳があまりできていない
日本語の翻訳があまり精度が高くない印象を受けます。
情報量が少ない
QNAPやSynologyのNASに比べて、TerramasteのNASについての情報量があまり多くない印象を受けます。
一部動作が不安定
一部の動作が不安定な印象を受けます。
ネットワーク環境や設定を変更すると見つからなくなることも
管理画面にアクセスできなくなったり、ネットワーク上でフォルダが見つからなくなることが結構あります。
今のところ設定をいじったりして原因を特定しては復活させてはいますが、結構大変です。
RAIDの移行がたまにうまくいかない感じ
RAIDの移行ができると言う話でしたが、なぜかうまくいきませんでした。
RAID移行をするための設定項目的なものが見つかりませんでした。
相性問題などがあるのかもしれませんね。
ただ、情報が少なすぎる印象です。
と、思いきや普通に同期が始まりました。
条件がちょっと難しいですね。
RAIDが最初に選べない(解決済み)
1回目に初期設定をした時はRAIDを選ぶことができたようなのですが、2回目に初期設定をした時はなぜかTRAID?BRTFS?になってしまい、RAIDを組めませんでした。
色々調べた結果、ストレージプールを削除すればアプリなどは消えるものの行ける感じでした。
セキュリティ分離モードでは自動アップデートされないらしい?
2023/11/21追記、F5-422をセキュリティ分離モードにしておくと自動アップデートされないようです。
5.1.79のままで、最新の5.1.95の更新は更新用パッケージをPCからアップロードしないといけませんでした。
その他の情報
その他の情報があれば加筆します。
初期化後にMacでなくWIndowsでアクセスが必要になりました。
なぜか初期化した後にMacからアクセスができなくなる事象がありました。
色々と情報を調べて、HDDのパーティションの削除などを試しましたが効果がありませんでした。
そこで、Windowsからアクセスをするとうまくいきました。
2023/08/20追記、10GBEをいかしてメインのNASとして使う
記事公開時よりほとんど使っていなかったF5-422ですが、10GBEを試してみることに。
互換性リストにないSSDを搭載するとエラーが頻発したため、HDD×5のRAID0として使用することになりますが、最大で300MB/s程度の速度を出すことができています。
また、セキュリティー分離モードという機能が結構安心感があります
セキュリティ分離モードはセキュリティ対策の設定の一つです。機能の一つにインターネット上からのアクセスを遮断し、ローカルネットワークのみからアクセスをするというモノがあります。
自宅など限られた場所でしかNASと接続しない場合に特に向く機能だと思われます。
筆者は昔、NASをWindowsのPCとだけ接続して、HDD的に運用していた時期があります。
こうすることでインターネットに接続せずにできるのではという素人考えです。そんな感じで運用できるのかもしれません。
あとがき
2023年11月でもメインのNASとして使っていて、Celeron搭載で5ベイかつ10GBEが最初から搭載されていることは評価高いです。
しかし、マイナーなメーカーのNASであり、ソフトウェアの完成度があまり高くなく、初心者やヘビーユーザーにはお勧めできません。
多少の困難は楽しめる人や、多少NASやネットワークに関しての知識がありそれでいてライトな用途に使うユーザー向けです。
筆者個人としてはかなり良かったと思いますが、決して万人向けしないと思います。
参考になれば幸いです。
情報量が少ないところなどは気になりましたが、コスパはとても高いNASだと感じました。
特にDockerなどをつかってサーバーとしても使えるので、J3455のマシンパワーを存分に活かせるはずです。
ただ、情報量がとにかく少なかったりするので、上級者向けかもしれないかなと思いました。