2023/09/04追記、この記事は2023年3月頃に作成した記事で、その頃以降ちょっとずつ編集しています。
この記事では、Alder Lake NのIntel N100は使えるかのデータを、N100搭載のミニPCの動作を元に記載していきます。
結論から言って、エントリーCPUとしてはいいCPUだと思います。
TDPは6Wで、N100を搭載したミニPCの消費電力は20W周辺となっていました。
そして、CPUベンチマークのR23では、シングル941、マルチ3020というエントリーとしては結構強力な数値が出ています。
少なくともマルチスコアではPentium N6005、Intel N95よりも高い数値が出ています。(どちらも2000前半)
2023/07/08追記、いやーまさかここまでN100の人気が出るとは思いませんでした。さまざまなブロガーさんやYoutuberさんやメディアさんがN100の魅力を取り上げていて謎の嬉しさを覚えます。
早くレビューしてみてレビューをして本当に良かったです!
各種ベンチマークの計測
各種ベンチマークを計測した結果はこちら。
Cinebench R23ではこんな感じ。
シングルコアのCPUスコアで近いものは、i7-4790やRyzen5-3500Uだと思われます。
また、マルチコアで近いものは、i5-4590やi5-6500などがあると思われます。
GB6のスコアはこちら。
ドラクエベンチはこちら。
N100搭載のS12 ProのCrystal Diskmarkはこちら。
N100はNvmeSSDに対応しているらしく、SATA接続の最高速度?よりも高速になっているようですね。
追記 FFXVベンチも回してみました
なお、動作検証時はメモリを8GBに変更しています。FFXVベンチは628で、ちょっと厳しすぎるスコアですね。
消費電力の計測
Intel N100は消費電力も比較的小さいようです。
今回検証したミニPCのTDPは6Wで、電源アダプタの出力は36Wとなっていました。
N100を搭載したミニPCの消費電力をサンワサプライのWチェッカーでチェックしてみたところ、だいたい10W〜25W程度で推移していました。
使用感について
使用感はこちら。
2023/12/15追記、なお検証は2023年3月頃に行われており、記事更新時とは実際の使用感が乖離している可能性も十分にあります。
ブラウジングでは突っかかりを感じない。
Chromeでのブラウジング程度では、ほとんど突っかかりを感じないかと思いました。
これは完全な推測ですが、ChromeからGoogleスプシを開いたりGoogleドキュメントを編集したりしても問題ないレベルかと
排熱はそこそこある。
TDPが6WとMAXの最大消費電力が省電力と予測されるとはいえ、処理性能自体がとても高いわけではないからか、静音ではあるものの結構ファンが回り、温かめの空気が排出されていました。
Zoomでは、CPU60%ぐらい
Zoomで使用すると、大体CPU使用率は60%ぐらいでした。
たまに100パーセントに瞬間的に上がる印象です。
ブログを執筆する
ChromeからWordpressなどのページを開いて、ブログを書きまくってみました。
感想から行って、めちゃくちゃ十分です。
おそらく、事務作業なんかにも使えるのではないかと思いました。
Stable Diffusionでイラスト生成は時間がかかる
Intel N100でStable Diffusionしてみました。
NMKDを用いて、CPUに処理をさせ、512×512のイラストを美少女系のモデルで5ステップで処理をさせたところ129秒でした。
また、25ステップで処理をさせた場合は575秒かかりました。
時間はかかりますが、なんとかできないことはなさそうです。とっても時間はかかりますが。
ただ、効率的な処理が必要な場合はNVIDIAのグラボを積んだPCを使った方が良さそうです。
あるいはM1やM2系を積んだMacやiPadならできないこともないと思います。
Intel N100などのCPUを使用して検証した記事のURLはこちら。
ROM焼きなどもできる
Xiaomi Pad 5などのROM焼きもしましたが普通にできました。
ゲームは厳しいかも
最新の3Dゲームは難しいと思われます。
FFベンチの動作や実際にウマ娘を回したりした場合でもカクツキがあったりします。
ゲーム目的なら別のPCが良いと思われます。
評価
個人的な評価はこちら。
性能はN5105などに比べても強力
性能はN5105よりも上がっております。
ベンチマークの比較はこちら。
世代 | Passmark | CBR23 シングル | CBR23 マルチ | TDP | |
Celeron N5105 | Jasper Lake | 約4000 | 604 | 2009 | 10W |
Pentium N6005 | Jasper Lake | 約5400 | 706 | 1920 | 10W |
N100 | Alder Lake | 約5600 | 941 | 3020 | 6W |
ベンチマークについては、Cinebench R23は僕が実際に計測した値を使用しています。
PassmarkやCinebench R23などのベンチマークスコアや実際の使用感を中心に、エントリーCPUでは比較的高い性能を持っていると実感させられました。
マックスの電力消費が少ない
あるN100搭載のミニPCでは、最大でも25W程度の電力消費にとどまっていました。
長期的に稼働させる仕事やサーバー用のPCに使えそうな印象です。性能さえ問題なければ。
値段はそこそこ安い
現在日本でもN100で、2.5GBEポートを1つ搭載したLarkBox X 2023がそこそこの価格で販売されています。
ライトな用途なら問題はなさそう。
多分ライトな用途なら問題はないと思います。
Chromeを使ったり、Android端末をROM焼きしたりと言ったことは問題ないかと思います。
デメリット
デメリットについても記載します
2023/07/08さらに追記、N100搭載PCをより納得して購入いただくためにさらにデメリットを追記しました。
メモリは最大1枚、最大16GBまでらしい?
地味なデメリットとして、メモリは1枚×16GBまでしか搭載できない(公式発表)というポイントがあります。
まず、シングルチャネルだけなので、8GB以下のメモリを16GBに増設する場合は、8GBのメモリ(2500円ぐらい)を買うのではなく、16GBのメモリ(5000円ぐらい)を購入する必要があり、費用がかかります。
さらに、16GBまでしかメモリを対応していないと公式が発表しているので気になるかもしれません。
ただ、32GBメモリ搭載のN100機もあるようなので、そこは個人の判断になりそうです。
性能だけ考えたらRyzen5や7の方がコスパがいい
Passmarkと価格だけを考えたら、こちらのGMKTecのモノの方が良いかもしれません。
また、Intel CPUのミニPCだとこれも良さそうですね
N100搭載のノートやデスクトップは中華製品が多い
N100はどちらかというとBeelinkやCHUWI、GMKやTRIGKEY、MINISFORUMやSKybariumなどの中華メーカーのミニPCに多く採用されています。
また、日本でもN100を搭載したノートPCは販売されていますが、CHUWI製だったりします
有名でメジャーなメーカーの製品で、N100搭載なWindowsのノートPC日本で発売されていることはなさそうなので、そこは気になるところですね。
ミニPCは寿命が短いという声も?
ミニPCは大型のデスクトップPCに比べて排熱性能が低い傾向にあるため、CPUなどを冷やしきれずにCPU本来の性能を出しきれなかったり、寿命を縮めて短寿命で壊れてしまうというはなしもあります。
筆者はまだ長期的に運用したことがないのでミニPCが壊れた経験はないのですが、これは気になる点かもしれません。
とはいえ、排熱性能を上げるためにもミニPCの置き場所は熱くなる場所を避けたり、電力設定を変えたりするのは効果があるかもしれません。
おすすめなIntel N100搭載PC
なお、Intel N100のおすすめミニPCをまとめた記事はこちらとなっております。
CHUWIのミニPCの他にはGMKTecのミニPCもおすすめです。
あとがき
参考になれば幸いです。
また、最近ではN100を搭載した3万円程度(2023/04/11時点)のノートPCも販売されていて、そちらの性能を考察した記事はこちらです。